
Midjourney:芸術的表現に特化した画像生成AI
Midjourney(ミッドジャーニー)は、テキストによる指示(プロンプト)から高品質な画像を生成するAIです。特に芸術的で独創的な表現に優れており、世界中のクリエイターやアーティストから注目を集めています。
開発企業・公式サイト
- 開発企業: Midjourney, Inc. (独立した研究所)
- 創設者: David Holz(デヴィッド・ホルツ)氏
- 公式サイトURL: https://www.midjourney.com/
利用料金(有料プラン)
Midjourneyは現在、無料プランを提供しておらず、利用には有料プランへの加入が必要です。以前は無料トライアルがありましたが、2023年3月頃に終了しました。 プランは主に以下の4種類が提供されています(料金は変動する可能性があるため、公式サイトで最新情報をご確認ください)。
プラン名 | 月額料金(月払い) | 年額料金(月換算) | 高速生成時間 (Fast GPU Time) | 特徴 |
Basic Plan | $10 | $8 | 約3.3時間/月 | お試し向け、生成枚数に上限あり(約200枚/月) |
Standard Plan | $30 | $24 | 約15時間/月 | 無制限の画像生成(Relaxモード)、個人利用におすすめ |
Pro Plan | $60 | $48 | 約30時間/月 | ステルスモード(非公開生成)利用可能、大量生成向け |
Mega Plan | $120 | $96 | 約60時間/月 | Pro Planの全機能に加え、さらに多くの高速生成時間、ビジネス利用向け |
- 商用利用: 有料プランで生成した画像は商用利用が可能です。 ただし、年間総収入が100万ドルを超える企業はPro Plan以上の契約が推奨されています。
- 支払い方法: 各種クレジットカードが利用可能です。プランへの登録はDiscordのチャットルームで/subscribeコマンドを入力して行います。
特徴
- 高品質で芸術的な画像生成: 他の画像生成AIと比較しても、特に構図、色彩、光の表現などが洗練されており、アーティスティックな画像の生成を得意としています。
- Discord経由での利用: 当初はコミュニケーションツール「Discord」上でのみ利用可能でしたが、現在はウェブブラウザ版も提供されており、初心者でも使いやすくなっています。
- プロンプトによる細かい指示: テキストで詳細な指示(プロンプト)を与えることで、生成される画像のスタイル、雰囲気、構図などをコントロールできます。
- 多様なパラメータ: 画像の縦横比を指定する–ar、画像のリアルさを調整する–style、カオス度合いを調整する–chaosなど、様々なパラメータをプロンプトに付加することで、より細かく生成結果を制御できます。
- Vary (Region)機能: 生成された画像の一部を選択し、その部分だけを修正・再生成することができます。
- Personalize機能: ユーザーが好みの画像を評価することで、AIがユーザーの嗜好を学習し、よりパーソナルな画像を生成する機能です。
バージョンの変遷
Midjourneyは継続的にアップデートされており、画質や機能が向上しています。
- 初期バージョン: 2022年7月にオープンベータ版がリリースされました。
- V4 (2022年後半頃~): よりリアルで詳細な画像生成が可能になりました。
- V5 (2023年前半頃~): さらに画質が向上し、特に手の描写などが改善されました。 V5.1、V5.2といったマイナーアップデートも行われ、プロンプトの解釈精度や画像の多様性が向上しました。
- V6 (2023年12月~): 大幅な画質向上、プロンプトへの忠実性の向上、テキスト描画能力の向上などが特徴です。より短いプロンプトでも高品質な画像が生成できるようになりました。
- V6.1 (2024年7月~): V6をベースに、さらに画像クオリティの向上、生成速度の改善、テキスト生成精度の向上が図られています。 また、パーソナライゼーションコードのバージョン管理が可能になるなど、より使いやすさも向上しています。
活用方法
Midjourneyは、その高い表現力を活かして様々な分野で活用されています。
- アート作品制作: イラスト、絵画、コンセプトアートなど、独創的なアート作品の制作に活用されています。
- デザイン: Webデザインのイメージ作成、広告デザイン、ロゴデザインのアイデア出しなど、デザイン業務の効率化や新たな発想の喚起に役立ちます。
- コンテンツ制作: ブログ記事のアイキャッチ画像、SNS投稿用の画像、プレゼンテーション資料の挿絵など、視覚的なコンテンツを手軽に作成できます。
- アイデアの可視化: 文章だけでは伝えにくいアイデアやイメージを具体的に可視化し、チーム内での共有やクライアントへの提案に利用できます。
- エンターテイメント: ゲームのキャラクターデザインや背景美術、映像作品のコンセプトアートなどにも活用されています。 キングコング西野亮廣氏の作品「えんとつ町のプペル」の作画にも活用された事例があります。
- メタバース: 生成した画像を3Dモデル化し、メタバース空間の構築に利用する試みも見られます。
- 既存画像の参照(Image to Image): 既存の画像をアップロードし、それを元に新たな画像を生成することも可能です(img2img)。
Midjourneyは、Discordコミュニティも活発で、他のユーザーが生成した画像やプロンプトを参考にしたり、情報交換をしたりすることも可能です。
リンク
- Midjourney公式サイト: https://www.midjourney.com/
- Midjourney Discordサーバー: 公式サイトから参加可能
- Midjourneyドキュメンテーション: https://docs.midjourney.com/(英語ですが、詳細な利用方法やパラメータの説明があります)