Grok

Posted on 2025年5月11日 by ak

Grok：ユーモラスでリアルタイムな情報に強いAIチャットボット

Grokは、イーロン・マスク氏が率いるxAI社によって開発された生成AIチャットボットです。 大規模言語モデル（LLM）を基盤とし、他のAIとは一線を画す「ユーモアのセンス」と、X（旧Twitter）への直接アクセスによるリアルタイムな情報収集能力を特徴としています。

開発企業・公式サイト

  • 開発企業: xAI
  • 公式サイトURL:
    • Grok製品ページ: https://x.ai/ (製品情報、ブログなど)
    • Grokチャットインターフェース: https://grok.com/ (直接Grokと対話可能)
    • X上のGrok: Xのサイドバーからアクセス可能

利用料金

Grokは、利用方法や機能によって料金体系が異なります。

  • 無料版: Xユーザーであれば誰でも限定的ながら利用可能です。 1日あたりの質問数や画像生成回数に制限があります。
  • 有料プラン (X Premium連携):
    • X Premium: 月額8ドル（月払い）または年額84ドル（7ドル/月相当）。無料版より多くの機能や利用枠が提供されます。
    • X Premium+: 月額40ドル（月払い）または年額395.04ドル（32.92ドル/月相当）。Grokの全機能（広告なし体験、新機能への早期アクセスなどを含む）が利用可能です。
  • 有料プラン (SuperGrok): 月額30ドル。X Premium+の特典は含まれませんが、Grok 3の全機能（DeepSearch、Think機能、無制限の画像生成など）をgrok.comおよびGrokモバイルアプリで利用できます。
  • API利用料金: 開発者向けにAPIも提供されており、モデルや利用量に応じた料金が設定されています。例えば、grok-3モデルはテキスト補完で100万トークンあたり入力3ドル、出力15ドルです。より高速なgrok-3-fastや、軽量版のgrok-3-miniなど、複数のモデルが用意されています。

特徴

Grokの主な特徴は以下の通りです。

  • リアルタイム情報アクセス: Xプラットフォームと直接統合されており、最新のニュースやトレンドに基づいた回答が可能です。
  • ユーモアと個性的な応答: しばしばユーモラスで、少し反抗的なトーンで回答することがあり、他のAIチャットボットとは異なるインタラクション体験を提供します。 「通常モード」と「ファンモード」の2つのモードを切り替えることで、回答のテイストを変えることができます。
  • マルチモーダル機能: テキストだけでなく、画像生成や画像理解も可能です。 書類、図、グラフ、スクリーンショット、写真など、さまざまな種類の視覚情報を処理できます。
  • 高度な推論能力: 「Think」機能（または「Big Brain」モード）を使用することで、複雑な問題に対して段階的な思考プロセスを経て回答を生成します。
  • DeepSearch機能: インターネット全体を検索し、より深く関連性の高い情報を見つけ出すことができます。
  • 多言語対応・音声機能: Grokは多言語に対応しており、iOSアプリでは音声モードも提供されています。
  • オープンソースの側面: 初期のGrok-1モデルの重みとアーキテクチャはApache 2.0ライセンスのオープンソースとして公開されました。 ただし、Grok-1.5以降はプロプライエタリとなっています。

バージョンの変遷

Grokは2023年の登場以来、急速に進化を続けています。

  • Grok-1 (2023年11月): 最初のバージョンとしてリリース。ユーモアのある会話とXからのリアルタイム情報アクセスが特徴でした。
  • Grok-1.5 (2024年3月発表): 文脈長が128,000トークンに拡張され、推論能力が向上しました。
  • Grok-1.5 Vision (Grok-1.5V) (2024年4月発表): 画像処理能力を備えた初のマルチモーダルバージョンとして発表されましたが、一般公開はされませんでした。
  • Grok-2 (2024年8月発表): パフォーマンスと推論能力が向上し、画像生成機能（Black Forest LabsのFLUX技術を利用）が統合されました。 軽量版のGrok-2 miniも同時に発表されました。
  • Grok-3 (2025年2月リリース): 大幅に強化されたコンピューティングパワーで訓練され、高度な推論能力（「Think」モード）を備えています。 数学、コーディング、テキスト要約などのエンタープライズユースケースにも対応します。 軽量版のGrok-3 Miniも提供されています。
  • 継続的な機能追加: 上記のメジャーアップデート以外にも、画像理解、ウェブ検索、PDF理解、Aurora（新しいテキスト画像モデル）などの機能が随時追加されています。 スタンドアロンのウェブアプリやiOSアプリも提供されています。
  • Grok-3.5 (2025年5月早期ベータ予定): SuperGrok加入者向けに提供予定で、特に技術的な質問への回答精度向上が期待されています。

活用方法

Grokは、そのユニークな特性を活かして様々な場面で活用できます。

  • リアルタイム情報の収集・要約: 最新ニュース、トレンド、特定のイベントに関する情報を素早く把握。
  • コンテンツ作成支援: Xの投稿、ブログ記事のアイデア、広告コピーなどの作成。
  • 学習・調査: 記事の要約、概念の説明、情報のファクトチェック。
  • プログラミング支援: Python、JavaScriptなど様々な言語でのコード記述やデバッグ。
  • アイデア創出: ビジネスのネーミング、製品アイデア、クリエイティブなストーリーテリングなど。
  • 日常的なタスク管理: スケジュール管理、メッセージの下書き、リマインダー設定などのパーソナルアシスタントとしての利用。
  • エンタープライズ利用: データ抽出、コーディング、テキスト要約など、金融、ヘルスケア、法律、科学といった専門分野での活用も期待されています。

Grokは、Xプラットフォームとの連携や独自のキャラクターにより、他のAIとは異なる価値を提供するツールとして注目されています。